銀行系証券と独立系証券一覧【特徴・強み・メリット・弱み・違いを比較】

銀行系証券と独立系証券一覧【特徴・強み・メリット・弱み・違いを比較】 〇投資銀行の基礎知識

証券会社は銀行系証券と独立系証券に分類されます。

それぞれの特徴、強み・弱み、メリットについて徹底解説します。

具体的な銀行系証券と独立証券の一覧

銀行系証券とは銀行グループに属する証券会社のことを指し、独立系証券とは銀行グループに属さない(銀行から独立している)証券会社を指します。

日本の投資銀行を銀行系、独立系に分類すると以下の通りです。

銀行系証券

  • SMBC日興証券・・・三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)に属する
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・・・三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)に属する
  • みずほ証券・・・みずほフィナンシャルグループに属する

独立系証券

  • 野村證券
  • 大和証券

野村グループには野村信託銀行、大和グループには大和ネクスト銀行がありますが、企業などの取引先に大きな影響力を与えるほどではありません。そのため、野村と大和は独立系証券と解されています。

この「独立」の意味するところは後で解説します。

銀行業と証券業はファイアーウォール規制により分離されているが段階的に緩和されつつある

日本では銀行業と証券業を切り離すためにファイアーウォール(防火壁)規制が1993年に導入されています。

この規制が導入された背景ですが、例えば、業績の悪化した取引先に対して銀行が社債を発行させ、その資金で融資を返済させるといった利益相反を防止する狙いがあります。

またリスクの高い証券業・投資銀行業の損失が預金や決済機能を提供する銀行業に悪影響を与えないようにする狙いもあります。

銀行業と証券業を分離する銀証分離の考え方は1929年の株価大暴落を受けて1933年のグラス・スティーガル法の制定により、アメリカで導入されました。その後、1999年に廃止されています。

グラス・スティーガル法とは?
  • リスクの高い投資銀行業務と健全性が求められる預金受入や信用貸出を行う商業銀行業務を切り離すことを目的に1933年に制定された米国の法律
  • 1999年のグラム・リーチ・プライリー法により廃止された

2007年のリーマン・ショックにおける金融機関救済に伴う財政負担・公的資金拠出を受けて、銀行部門と証券部門を分離する議論が再燃しましたが、今までのところ銀証分離が実現するには至っていません。

また欧州はユニバーサルバンク・システムであり、銀証分離の規制がありません。

  • ユニバーサルバンクとは、銀行業務と証券業務をワンストップで行う金融機関です。
  • 主に欧州で発展した金融機関の形態です。

クロスボーダーのM&A案件では銀行と証券が緊密に連携することが求められます。CIB(Corporate & Investment Banking)モデルの下でシームレスな提案をしてくる欧米金融機関に対抗していくためにも、日本ではファイアーウォール規制(FW規制)が段階的に緩和されてきている状況です。

規制緩和を受けて、もともと銀行が母体であるSMFG、MUFG、みずほFGなどの各金融グループは証券子会社を通じて証券業務・投資銀行業務の強化・拡大を目指しており、対する野村證券・大和証券はこれに対抗している構図となっています。

銀行系証券の強み・弱み、メリット

銀行系証券の強みは企業の資金繰りに強い点があげられます。グループの銀行が預金取引を通じて企業の資金繰りを把握しています。お金の出入りや過不足を把握しているので、タイムリーに融資や社債発行の提案につなげることができます。

もともと親銀行が証券子会社を設立して証券業に参入した経緯があります。証券業の社債は銀行におけるローンに近い商品性であり、銀行系証券は一般に社債発行に代表されるDCMに強い傾向があります。

一方で弱みはECMと言えます。

銀行系証券では銀行から出向してきている人も多く働いています。銀行では株式というプロダクトを扱うことがないため、ECMに関する理解がどうしても出遅れます。株式に対する意識が組織のDNAレベルで刻み込まれていません。

銀行系証券はDCMに強くECMに弱い傾向にあるのが特徴と言えます。

独立系証券の強み・弱み、メリット

独立系証券とは銀行グループから独立した証券会社のことであり、野村證券、大和証券が該当します。

銀行がいない分だけ企業とのリレーションが弱いかというとそういうことはありません。

顧客企業にはさまざまなニーズがあり、例えば、

A銀行にはいつもお世話になっていることもあり、前回の社債発行ではA銀行グループの証券会社に主幹事を任せた。

だが、今度のM&A案件では銀行との関係は抜きにして、純粋に提案力、アドバイス内容だけでアドバイザーを決めたい

グループ・組織の力ではなく、純粋に求められる仕事内容に対する力量だけで勝負する局面が多いのが独立系証券です。

大変かつ辛いですが若いうちに実力を身につけられる土壌があると言えます。

銀行系証券は一般に株式に対する苦手意識がありますが、野村證券、大和証券は「株屋」でありECMの分野で実力を発揮しています。

例外的なのがSMBC日興証券です。SMFGに属する銀行系証券ですが、以前は大手証券の一角として独立系証券であったDNAを引き継いでいます。DCM、ECMにまんべんなく強みを発揮しています。

まとめ

銀行系証券と独立系証券の特徴、強み・弱みについて解説してきました。

大きなファイナンス案件やM&A案件になるとグループとしての総合提案力が求められます。銀行系証券と独立系証券の違いを踏まえた上で企業分析をしてみるとよいでしょう。

日系投資銀行の一覧はこちら。

米系投資銀行の一覧はこちら。  

欧州系投資銀行はこちらです。

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