東海東京証券は、東海東京フィナンシャル・ホールディングスの中核を占める証券会社です。
ここでは東海東京証券について解説します。
東海東京フィナンシャル・ホールディングスの特徴・歴史
東海東京フィナンシャル・ホールディングス(東海東京FH)は2009年に持株会社体制に移行するために設立されました。
1908年設立の丸万証券と1944年に設立の東海証券が1996年に合併して東海丸万証券となり、1929年に設立された東京証券と2000年に合併することで、東海東京証券が誕生しています。
2010年にはトヨタフィナンシャルサービス証券と合併しています。東海東京証券フィナンシャル・ホールディングスの本社所在地は東京都中央区日本橋ですが、東海東京証券の本店所在地は愛知県名古屋市であり、歴史的にも現在においても名古屋を含む東海地域とは結びつきが強いです。
東海東京フィナンシャル・グループは独自の戦略を掲げており、特に地方銀行との提携戦略は特徴的です。
特定地域において強力な事業基盤・顧客基盤を持つ地方銀行と提携し、合弁証券を設立することで証券ビジネスを拡大させています。
提携する合弁証券は以下の通りです。
提携先 | 傘下の地方銀行名 | 合弁証券名 | 営業開始 |
---|---|---|---|
コンコルディアFG | 横浜銀行・東日本銀行 | 浜銀TT証券 | 2008年11月 |
ほくほくFG | 北陸銀行・北海道銀行 | ほくほくTT証券 | 2017年1月 |
山口FG | 山口銀行・北九州銀行・もみじ銀行 | ワイエム証券 | 2007年10月 |
西日本FH | 西日本シティ銀行・長崎銀行 | 西日本シティTT証券 | 2010年5月 |
十六FG | 十六銀行 | 十六TT証券 | 2019年6月 |
池田泉州HD | 池田泉州銀行 | 池田泉州TT証券 | 2013年9月 |
栃木銀行 | - | とちぎんTT証券 | 2017年4月 |
ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなどに海外拠点がありますが、証券ビジネスにおいて特に目立った実績は見られていません。
基本的には国内で完結する証券ビジネスに特化していると考えてよいでしょう。
東海東京証券・投資銀行部門(IBD)の強み
東海東京証券は国内大手証券5社に次ぐ準大手証券と位置付けられています。
国内大手証券にはない独自の国内販売網・投資家アクセスを持っており、DCMおよびECMビジネスで実績を残しています。
IPO引受額ランキング(2022年4月~2023年3月)では7位となっています。
順位 | 引受会社 | 件数 | 金額(百万円) | シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | SMBC日興証券 | 46 | 59,210 | 22.2 |
2 | 野村證券 | 41 | 57,163 | 21.4 |
3 | 大和証券 | 47 | 49,541 | 18.6 |
4 | SBI証券 | 92 | 33,406 | 12.5 |
5 | みずほ証券 | 51 | 30,840 | 11.6 |
6 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 24 | 19,646 | 7.4 |
7 | 東海東京証券 | 26 | 4,972 | 1.9 |
8 | 楽天証券 | 64 | 1,885 | 0.7 |
9 | 岡三証券 | 42 | 1,746 | 0.7 |
10 | マネックス証券 | 54 | 1,408 | 0.5 |
また、普通社債引受額ランキング(2022年4月~2023年3月)では6位となっています。
順位 | 引受会社 | 件数 | 金額(百万円) | シェア(%) |
---|---|---|---|---|
1 | みずほ証券 | 397 | 2,993,524 | 25.8 |
2 | 野村證券 | 391 | 2,309,236 | 20.3 |
3 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 289 | 2,289,459 | 20.1 |
4 | 大和証券 | 343 | 2,279,796 | 20.0 |
5 | SMBC日興証券 | 90 | 836,984 | 7.4 |
6 | 東海東京証券 | 80 | 189,496 | 1.7 |
7 | しんきん証券 | 59 | 151,565 | 1.3 |
8 | SBI証券 | 12 | 129,623 | 1.1 |
9 | 楽天証券 | 3 | 82,500 | 0.7 |
10 | 岡三証券 | 37 | 59,115 | 0.5 |
M&Aなどのクロスボーダーの案件を経験することは限定的ですが、東海東京証券は大手5大証券とは異なり、組織の大きさがかなりスリムです。野村ホールディングスは27,216名(22年12月末)の役職員数ですが、東海東京FHでは2,747名(23年3月末)となっています。
巨大組織となると組織が部署ごとにタコつぼ化しますが、おそらく東海東京証券ではそのようなことはないと思われます。一人で何役もこなさないといけない場面も多いと思いますが、風通しの良い組織風土の中でスキルアップしていくには最適な環境があると言えます。
東海東京証券・IBDの年収・給料・激務度
2022年3月期の有価証券報告書によると、平均年間給与は758万円でした。平均すると大手証券の次ぐ水準のようです。
投資銀行部門における主な案件はDCMとECMですが少数精鋭の体制で案件を回しているため相応に多忙であり、激務であると言えます。
東海東京証券の就職難易度
東海東京証券では部門別採用を行っており、投資銀行部門の採用予定人数は5名となっています。
難関とまではいわないものの採用人数が少ないため楽観はできません。
また社員全体に占める中途採用者の割合は10%前後で推移しています。中途採用でも活躍できる環境が用意されています。
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