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【よくある質問】投資銀行と証券会社の違い

〇投資銀行の基礎知識
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外銀、外資系の証券会社も日本ではゴールドマン・サックス証券株式会社、BNPパリバ証券株式会社のように「証券会社」と称しています。これとは別に投資銀行ビジネスや投資銀行部門というように、「投資銀行」という言葉も存在します。投資銀行と証券会社はどこが異なるのか。わかりにくい2つの言葉の違いについて解説します

業務内容に違いはない

外銀、外資系の証券会社も日本でビジネスを行う以上、日本の法令や規則に従ってビジネスを展開しています。金融商品取引法に金融商品取引業者が定義されており、金融商品取引業者には証券会社や投資顧問会社などが含まれます。証券取引法が改正され、現在の金融商品取引法となりましたが、以前の証券取引法では証券会社は名前に「証券」という文字を用いなければならなかったため、現在でも証券会社と名乗ることが多くなっています

株式や債券を取り扱うためには金融商品取引業者として金融庁に免許・許可・登録等を受ける必要があります。日本の法律に従い、「証券会社」と称して、「投資銀行」業務を行っていると考えていいでしょう

「投資銀行」の言葉が持つブランドイメージ

業務内容に違いはあるものの、「投資銀行」という言葉からイメージされるブランドが「証券会社」とは異なります。投資銀行は特に以下のイメージがあります

グローバルにビジネスを展開している

グローバルにビジネスを展開しているというのが投資銀行の一般的なイメージです。M&Aであっても資金調達であっても、国境を越えて取引を行うクロスボーダーの案件に強みがあるのが投資銀行といえます。英語はビジネスランゲージとして必須であり、時差を苦にせず語学を駆使して仕事をするイメージはここから来ています

プロフェッショナル意識が強い

プロフェッショナル意識が強い集団であることも一般的なサラリーマン組織とは異なる点です。顧客に最高の成果を届けるためにすべてを犠牲にしてでも結果を出すことに全力を尽くします。以下も参考にしてみてください

案件規模が大きい

投資銀行が追いかける案件の規模は極めて大きいです。顧客から依頼があっても案件の規模が小さく採算が合わないと判断すれば、案件の受諾を断ることもあります

Bloombergが発表しているM&Aアドバイザー・ランキング(2021年)を見てみましょう。ランキング(リーグテーブ)は一般に金額順に並べられます。上位を米系の証券会社が占めており、その後、日系や欧州系の証券会社の名前がランクインしています

元のランキングにはなかったのですが、取引金額を案件数で割った、1案件当たりの案件規模を計算したのが一番右のコラムです。特にここの数字を見て比べてみてください

順位アドバイザー案件数取引金額
(百万米ドル)
シェア
(%)
取引金額/案件数
1ゴールドマン・サックス3066,703 23.3 2,223 
2モルガン・スタンレー4855,612 19.5 1,159 
3バンク・オブ・アメリカ2644,999 15.7 1,731 
4JPモルガン2936,897 12.9 1,272 
5シティグループ1726,731 9.4 1,572 
6野村ホールディングス9426,213 9.2 279 
7クレディスイス719,105 6.7 2,729 
8みずほフィナンシャルグループ7414,176 5.0 192 
9プライスウォーターハウスクパーズ5513,820 4.8 251 
10バークレイズ713,706 4.8 1,958 
11三井住友フィナンシャルグループ8513,279 4.6 156 
12大和証券グループ6110,332 3.6 169 
13デロイトトウシュトーマツ798,265 2.9 105 
14BNPパリバ17,500 2.6 7,500 
15ジェフリーズ117,100 2.5 645 
16Qatalyst Partners25,861 2.1 2,931 
17ロスチャイルド145,075 1.8 363 
18DBSグループ14,827 1.7 4,827 
18OCBC銀行14,827 1.7 4,827 
18Somerley Group14,827 1.7 4,827 
5,343 285,924 
出所:Bloomberg リンク

明らかな特徴があるのが確認できます。米系は4桁規模となっているのに対して、日系は3桁規模です。このように強みとしている案件規模が異なり、大きい案件規模を得意としている米系証券会社を中心に「投資銀行」のイメージが強いのも、このように案件規模が大きい点が左右しています

案件規模が大きくても小さくても、案件を実行するのに必要なプロセスは大きくは変わりません。大きい案件に集中特化したほうが採算性・効率性はあがります

飲食業界における、客単価は小さくても大量にさばくことで売り上げを作っているファミリーレストラン、数量は少なくても客単価が高い都心の高級レストランの違いに例えられるかもしれません

まとめ

「投資銀行」は法律に定義があるような言葉ではないため、投資銀行をいう言葉を聞いてイメージされることは人によって様々です。投資銀行と言ってもいろいろな違いがあるため、投資銀行を就職先、転職先に検討している場合にはそれぞれの特徴をしっかり把握したうえで応募することをお薦めします

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