【投資銀行の働き方】プロフェッショナルファームとしての投資銀行

〇投資銀行の基礎知識

投資銀行の本場であるアメリカでは、ローファーム(弁護士事務所)やコンサルティングに並んでインベストメントバンクはプロフェッショナルファームと位置付けられています。外銀の中でも特に米系投資銀行はプロフェッショナルファームとしてのカルチャーが強いです

ここでは、プロフェッショナルファームは通常の会社組織とは何が異なるのかを解説します

専門性の高いサービスを提供する

弁護士や会計士(あるいは医師)のように投資銀行は専門性の高いサービスを提供します。ですが、弁護士や会計士と違って投資銀行に入るのに特段の資格は必要としません

(ただし、日本では証券外務員、アメリカではシリーズ7と呼ばれる資格試験に合格する必要はあります)

一般の会社組織では商品やサービスが組織単位で提供されるのに対して、プロフェッショナルファームでは個人単位で提供される傾向にあります。具体例を挙げると、車を買うときに〇〇の車を買いたいと会社を指名することが多いですが、ドラマでよくある外科手術を受けることになったとき〇〇先生にお願いしたいと個人を指名するのに近い感覚です

プロフェッショナルファームでは個人で専門性の高いサービスを提供するので、より個人単位での成果が重点的に評価されます。投資銀行はプロフェッショナルファー厶のカルチャーを持ち合わせる組織と言えます

資本集約度が低く、人材が資本

投資銀行は設備投資などは不要であり、資金の出し手と借り手を結びつけるために電話だけあればよいと昔は言われてました。これまでに経験した金融危機を経て、投資銀行にも様々な規制が課されることとなり分厚い資本が求められるようになりましたが、それでもM&A業務は大きな資本を必要としない業務の典型と言えます

最近では米国でも日本でも銀行系証券会社の存在感が増してきており、安定した資本力は投資銀行ビジネスにも求められるようになってきていますが、投資銀行ビジネスの根幹は人材が資本であるという点は変わらないでしょう

働いている個人の独立性

一般の会社では組織に重点を置いて仕事が進められるのに対して、プロフェッショナルファームでは個人に重点がおかれます。会社に頼るのではなく、自分の将来やキャリアプランをどうするかは自分に責任があり、能動的・自律的に物事を考える傾向がプロフェッショナルファームでは強いです。会社への帰属意識が低い人が多いですが、これは良いとも悪いとも言えないと思います

いずれにせよ、プロフェッショナルファームではより短い期間で成果が求められる傾向にあります。長い時間をかけてじっくり若者を育てるといった意識はプロフェッショナルファームにはほぼ皆無です。マラソンを最初から100m走だと思って100m走を繰り返し、42.195kmを走りきる覚悟が必要です

(マラソンを短距離走のように走りきることは実際は無理です。そのため途中で自らドロップアウトする人が多いのが投資銀行、特に外銀の中でも米系の特徴です。欧州系は若干のんびりしてると思います)

投資銀行と日系証券会社の違い

投資銀行はプロフェッショナルファームであると書いてきましたが、日系証券会社には必ずしもあてはまりません。日系証券会社では定期異動によって人事が行われており、いつどこで何をするかは自分でコントロールすることができません。そのため、プロフェッショナルファームというカルチャーは職場ではあまり感じられないでしょう

プロフェッショナルファームで働くことにいい点も悪い点もあるので、日系証券会社がただちに働く場所としておススメしないということにはなりません。定期異動は世界でも日本独自の雇用慣行ですがメリットもあるので、メリット・デメリットをしっかり認識して働くことが大事です

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