MUFGと米モルガン・スタンレーの提携は、2023年10月13日でちょうど15年となりました。
また米モルガン・スタンレーのCEOであるジェームス・ゴーマン氏は、2023年末までにCEOを退任する意向であり、会長職からも2024年末までに退く考えを明らかにしています。
節目を迎えたMUFGとモルガン・スタンレーの提携についてあらためて確認をしておきましょう。
2008年のMUFGとモルガン・スタンレーの戦略的資本提携
MUFGが米モルガン・スタンレーに総額90億米ドルを優先株で出資したのは2013年のことです。当時の為替レートで約9,000億円の出資であり、2013年度以降の10年間でMUFGへの純利益に貢献した金額は累計で2兆1,000億円強であり、すでに出資額の2倍以上のリターンとなっています。
2023年度中間決算では当期純利益9,272億円のうち、約26.5%を占めるほどモルガン・スタンレーの収益への貢献は大きい存在となっています。
2024年3月期中間決算 投資家説明会資料より
次の10年を見据えた「アライアンス2.0」への深化
MUFGとモルガン・スタンレーは2008年から続いている戦略的提携関係を、今後数⼗年にかけて未来永劫と続いていく関係を目指し、「アライアンス2.0」へと深化させていく方針です。
両社は、投資銀⾏業務からウェルスマネジメント、資産運⽤等の分野で協働してきましたが、新分野でも協働し、MUMSS(三菱UFJモルガンスタンレー証券)とMSMS(モルガンスタンレーMUFG証券)の2社⼀体で本邦トップの証券会社をめざす方針を打ち出しています。
2024年3月期中間決算 投資家説明会資料より
外国為替のトレーディングや日本株のリサーチなどで提携を強化すると2023年7月に発表しており、共同出資する2社の証券会社(MUMSSとMSMS)の合算で国内トップの収益を目指す方針を打ち出しました。
ゴーマン氏を含む当時の経営陣が第一線を退く中、提携の効果を持続できるのかどうかが注目されます。