2023年第1四半期の円債総合リーグテーブルは、みずほ証券が金額ベースで1位となった。
みずほは債券引受けの分野では、セクターを問わずに満遍なく強さを発揮している。特にこの4-6月期ではウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイによる総額1,644億円の円債の主幹事を務めたことが大きく寄与している。日系証券の中でバークシャーの円債を引受けているのはみずほだけであり、他社にはない独自の強みを発揮している。
2023年第1四半期の債券引受けランキング(円債総合)
順位 | 会社名 | 件数 | 金額(兆円) |
---|---|---|---|
1 | みずほ | 203 | 1.67 |
2 | 野村 | 161 | 1.29 |
3 | 三菱UFJ・MS | 135 | 1.19 |
4 | 大和 | 143 | 1.03 |
5 | SMBC日興 | 148 | 0.94 |
6 | BofA | 12 | 0.13 |
7 | ゴールドマン・サックス | 8 | 0.10 |
8 | 岡三 | 18 | 0.08 |
9 | 三菱UFJFG | 6 | 0.08 |
10 | 東海東京 | 23 | 0.08 |
2位以降は、野村、三菱、大和、日興と日系大手5社が上位を独占しているが、6位にBofA、7位にゴールドマンが入り、外銀の中では健闘している。
23年3月には米地銀シリコンバレーバンクが破綻、欧州ではクレディスイスが経営危機に陥り同じくスイス金融大手のUBSが買収を決めるなど、海外市場を中心に金融不安が根強かったが、日本市場では大きな混乱も見られず、債券発行市場は堅調な状況であった。
23年4月には植田日銀総裁が就任すると、過度な金利上昇懸念が後退し投資家の債券需要が回復し、発行体サイドも起債に動く向きが活発化した。
国内企業では、ソフトバンクグループが個人向けハイブリッド債を2,220億円発行。トヨタ自動車は環境や社会課題の解決を資金使途とするサステナビリティボンドを総額1,000億円発行している。
その他、クレディスイスによるAT1債は3月に無価値になって以来、世界の主要金融機関で初となるAT1債を三井住友フィナンシャルグループが1,400億円発行するなど、市場の注目を集める案件が多くみられた。