ネット証券で業界最大手であるSBI証券について解説します。
SBIホールディングスの特徴・歴史
ソフトバンクの子会社として1999年に設立されたのが現在のSBIホールディングスの前身であり、Soft Bank Investmentの頭文字がSBIのもともとの由来です。
ソフトバンクとの関係がなくなった現在は、SBIは「Strategic Business Innovator=戦略的ビジネスの改革者」となっています。
SBIグループは、「金融サービス事業」「投資事業」「資産運用事業」「暗号資産事業」「非金融事業」の5つの事業領域に注力しています。中でも「金融サービス事業」はSBIグループの中核を成す事業です。
金融サービス事業は証券事業、銀行事業、保険事業等で構成されます。
証券事業の中でも主要構成企業であるSBI証券は好調な成績をおさめており、特にSBIグループの口座数は業界でも最多となっています。
証券口座数の推移(2009年3月以降)
23年3月期 決算説明会資料
また為替市場のボラティリティが高まる局面ではFX関連事業でも利益を確保しており、SBIリクイディティ・マーケットも好調な成績となっています。
銀行事業ではSBI新生銀行が法人業務において貸出残高を伸ばしており、また住信SBIネット銀行は住宅ローン事業を中心に事業が拡大中です。
住信SBIネット銀行でも開業以来、一貫して口座数・預金残高が伸び続けています。
住信SBIネット銀行の口座数・預金残高推移
23年3月期 決算説明会資料
そのほか、SBI貯蓄銀行(韓国)、TPバンク(ベトナム)、SBI Bank(ロシア)、SBI LY HOUR Bank(カンボジア)が傘下にあります。
保険事業ではSBIインシュアランスグループ、SBI損害保険、SBI生命保険などが有力な子会社となります。
SBI証券・投資銀行部門(IBD)の強み
SBI証券では法人業務においても個人業務と同様に顧客中心主義を徹底しており、顧客基盤とシェアの拡大に注力しています。
IPOの引受関与率は業界トップであり、POや事業債においても引受件数を堅調に伸ばしています。
IPO引受社数ランキング(2022年度)
社名 | 件数 | 関与率(%) |
---|---|---|
SBI | 92 | 98.9 |
楽天 | 64 | 68.8 |
松井 | 59 | 63.4 |
マネックス | 54 | 58.1 |
みずほ | 51 | 54.8 |
日興 | 47 | 50.5 |
大和 | 47 | 50.5 |
岡三 | 42 | 45.2 |
岩井コスモ | 42 | 45.2 |
野村 | 41 | 44.1 |
またM&Aアドバイザリー部ではコンサルティング・ソーシング・ディールメイキングから資金調達までの一貫体制を確立しています。企業の買収、売却、経営統合、MBO、業界再編、事業再編等のアドバイスを提供し、企業価値向上をサポートする体制が整えられています。
また地域活性化に向けた具体策の一つとして事業承継型M&Aも強化しており、全国の中堅中小企業の成長戦略を強力にサポートしていきます。
今後はSBI新生銀行とも協業することで事業法人や金融法人の顧客基盤の拡大が期待できます。
SBI証券・投資銀行部門の年収・給料・激務度
OPENWORKの調べによると、平均年収は631万円となっています。
さまざまなファイナンス案件に関わる機会は多く多忙のため激務とも言えますが、若いうちから成長機会は豊富にあるとも言えます。
SBI証券の就職難易度
投資銀行業務は総合職での採用となります。具体的には、投資銀行部、M&Aアドバイザリー部、エクイティ・キャピタルマーケット部があり、専門性、探求心、数的センス、バランス感覚、論理的思考力、柔軟性、コミュニケーション能力が求められます。