那須温泉郷の中でも特に有名な「鹿の湯(しかのゆ)」。
湯けむりが立ちこめる木造の建物は、どこか懐かしさを感じさせます。
観光の途中に立ち寄って入ってみたところ、「これぞ温泉!」という力強い湯にすっかり癒やされました。
鹿の湯の歴史と名前の由来
鹿の湯は約1300年前に発見されたといわれる、那須でも最も古い温泉。
名前の由来は「大昔に狩野三郎行広という狩人が、射損じて逃げる鹿を追って山奥に入ると、傷ついた鹿がこの湯につかって回復した」という伝説から来ています。
長い年月を経て今も変わらず湧き出す湯は、地元の人や観光客に愛され続けています。

鹿の湯の入り口。

渡り廊下を渡って、お風呂場。
浴室の雰囲気と湯の特徴
建物の中に入ると、ふわっと硫黄の香りが広がります。湯気の向こうに木の浴槽が並び、時間の流れがゆっくりになるような空間。
鹿の湯では湯船の温度がいくつかに分かれていて、40度から48度まであります。最初はぬるめから入り、少しずつ熱い湯に移っていくのが地元流の入り方です。
湯は白く濁った単純硫黄泉。入った瞬間から肌が少しピリッとし、上がったあとには全身がぽかぽかになります。
湯上がりの肌はつるりとして、温泉の成分がしっかり染み込んでいるのが分かります。
鹿の湯の特徴
- 41、42、43、44、46、48度(女湯には48度がない)の6種類の浴槽
- 浴槽は約1mの深さ。入ると、水圧のためか、ふくらはぎや足首がぎゅっと締め付けられて気持ちいい
- 日帰り温泉。小学校低学年以下は厳しいかも。体を洗う場所などはなく、湯治場。

6つの浴槽が見えるが、浴槽ごとに温度が異なる。
施設情報とアクセス
住所:栃木県那須郡那須町湯本181
営業時間:8:00〜18:00(最終受付17:30)
料金:大人500円、小人(小学生)300円
公式HP:那須温泉 鹿の湯l千三百年続く静寂と癒しの湯
アクセス:
- 東北自動車道・那須ICから車で約20分
- JR黒磯駅から那須湯本温泉行きバスで約30分
駐車場:あり(無料)

駐車場はかなり広い(無料)。

渡り廊下で川を渡ります。

木造の廊下を渡っていざ温泉へ。

芸能人のサインもたくさん。
周辺のおすすめスポット
鹿の湯のすぐそばには、「那須温泉神社」や「殺生石」など、見どころも多くあります。
- 那須温泉神社:徒歩すぐ。山の中にある静かな神社で、参拝後に温泉へ行く人も多いです。
- 殺生石(せっしょうせき):徒歩すぐ。硫黄の煙が立ち上る、少し不思議な景色が楽しめます。
まとめ:那須観光の途中で立ち寄りたい、歴史ある湯
鹿の湯は、那須観光の途中で気軽に入れる日帰り温泉でありながら、1300年の歴史を今に伝える貴重な場所。
湯のパワーを肌で感じたい方や、昔ながらの温泉文化を体験したい人におすすめです。
旅の締めくくりに立ち寄れば、きっと心も体も温まります。

渡り廊下からの川の景色。

湯元温泉街や殺生石は歩いてすぐ。